────────────────────
高齢代男性。
尿路感染疑いで外来受診。
────────────────────
血算結果
PLT 5.0万/μL
ヒストグラムは少しギザギザしていました。
ーー
最初に目に入ったのは、血小板5万/μLという結果でした。
ヒストグラムの形からも
インピーダンス法による測定値だけではなく、PLT-Fも合わせて確認したくなる結果でした。
ーー
PLT-Fは4万/μL。
この血小板減少は、
骨髄で作られていないのか。
それとも末梢で壊されているのか。
あるいは、その両方なのか。
ーー
IPFのオーダーはありませんでしたが測定してみると、
IPFは8.1%。
少し高めです。
既往歴を見ると、
ITPがありました。
ここでようやく、
この血小板減少の背景が少し見えてきました。
ーー
ITPでは、
自己抗体→血小板破壊(主に脾臓)
が起こります。
つまり、
血小板を作れない病気ではなく、
作った血小板が末梢で壊される病気です。
血小板が減ると、
骨髄では巨核球が増加します。
巨核球は血小板のもとになる細胞です。
減った血小板を補おうとして、
より多くの血小板を送り出します。
その結果、
幼若血小板が増加します。
IPFは、その幼若血小板の割合を示す指標です。
今回、
IPFは8.1%。
骨髄は血小板減少に反応していました。
ーー
ITPを調べると、
IPFだけではなく、
MPVやPDWも上昇すると書かれています。
若い血小板は大きく、
巨大血小板も増えるためです。
そのため、今回の症例でも
MPVやPDWの上昇があると思っていました。
ところが今回は、
MPV 13 fL
PDW 19%
MPVやPDWは教科書で見た典型例ほどではありませんでした。
年齢も関係しているのかもしれませんし、
内服によって病勢が落ち着いていた可能性もあります。
ただ、今回のデータだけではそこまでは分かりませんでした。
ーー
血小板減少を見ると、
つい血小板数だけに目が向いてしまいます。
でも今回は、
IPF
MPV
PDW
PLT-F
ヒストグラム
を合わせて見ることで、
血小板が減っている背景を少し考えることができました。
特に印象に残ったのは、
IPFが上がっていたことよりも、
思っていたほどMPVやPDWが上がっていなかったことでした。
「ITPだからこうなる」
と思っていたことも、
実際の患者さんでは少し違うことがあります。
複数の指標を合わせて考えることの大切さを改めて感じた症例でした。
ーー
💡 この症例で学んだこと
・血小板減少を見たら、まず産生低下か末梢破壊かを考える
・PLT-FやIPFは血小板減少の背景を考えるヒントになる
・ITPでは、骨髄は血小板を作ろうとしている
・ITPでは、MPVやPDWが必ず高くなるわけではない
・検査値は単独ではなく、複数の指標を合わせて考えることが大切

